ダークウェブにあるサイトは、普通のブラウザでは確認できません。
Torブラウザ(オニオンブラウザ)といわれているものが必要となります。
さらにダークウェブのサイトにアクセスするには、そのアドレスが必要です。
Torネットワーク内のアドレスは、56文字+".onion"となりますが、ダークウェブは、サイト自身が公になっていないことがほとんどであり、有名なサイトのアドレスを探すことも一苦労。
そこで、本記事ではカテゴリ別に、ダークウェブで有名なサイトのアドレスをお伝えします。
アクセスは自己責任でお願いいたします。
また、世界で一番大きいダークウェブは、Torネットワーク内に構築されたものであることから、本記事では、Torネットワーク内のダークウェブにあるサイト集について説明します。
繰り返しになりますが、ダークウェブ内のサイトへは、比較的安全なものを紹介しているものの、自己責任でアクセスしてください。更に、本記事の最後で説明しているNordVPN(ノードVPN)とノートン 360を入れた状態で、ダークウェブにアクセスする様にしましょう。
ダークウェブに関しては「ダークウェブの入り方 - 誕生の背景・階層の違い・Torを使ったアクセス方法まで徹底解説!」に詳細を説明していますので、こちらをどうぞ。
また、Torブラウザに関しても「匿名性重視のTorブラウザ:ダウンロード~使い方まで(日本語版)」で使い方を詳しく説明しています。興味のある方はこちらもどうぞ。
ダークウェブに関する基礎知識~TorネットワークとTorブラウザ(オニオンブラウザ)~
ダークウェブを支える技術は、TorネットワークとTorブラウザ(オニオンブラウザ)の2つとなります。
ダークウェブそのものは怪しいものでもなく、米軍が開発したTorという技術の基に成り立っています。また、ダークウェブは技術的には、Torネットワーク上に構築されています。そして、Torネットワークにアクセスできるのは、Torブラウザのみとなります。
ダークウェブ、Torネットワーク、Torブラウザの詳細を以下で説明します。
ダークウェブとは
ダークウェブとは、ChromeやFirefoxなどの通常のブラウザでは検索できないインターネットの一部となります。
アクセスするにはTorという専用のソフトウェアが必要になります。
ダークウェブ内には、Googleの様な高性能の検索エンジンは存在しません(存在を隠しておきたいサイトが多く、普通のインターネットの様に簡単にアクセスできないため)。
そのため、本記事の様にダークウェブのサイト集は、ダークウェブ内のサイトを安全にアクセスするために必要となります。(ダークウェブ内の代表的なサイト集は、以降で説明します)
ダークウェブそのものに関しては「ダークウェブの入り方 - 誕生の背景・階層の違い・Torを使ったアクセス方法まで徹底解説!」に詳細を説明していますので、こちらをどうぞ。
Torネットワーク
世界で一番大きいダークウェブは、Torネットワーク内に存在します。Torネットワーク内のダークウェブは、Torというソフトウェアを使用しないとアクセスできません。
Torネットワークには、2つの機能があります。
・Torネットワークを経由してインターネットにアクセス
・Torネットワーク内のサイトにアクセス
ダークウェブの実態は、後者(Torネットワーク内にあるサイト)にあたります。
Torネットワークとダークウェブに関しては「【Torとは】Torの仕組みとオニオンルーティングを徹底解説」に詳細を説明していますので、こちらをどうぞ(onionサイトといわれる理由もこちらで説明しています)。
Torブラウザ(オニオンブラウザ)
繰り返しになりますが、Torネットワーク内にあるサイト(ダークウェブ)にアクセスするには、Torというソフトウェアを組み込んだブラウザが必要になります。
一番よく使用されているTor系ブラウザはTorブラウザです。Firefoxベースのブラウザとなっているので、Firefoxを普段使いしている人は全く違和感なく使用できます。また、Firefoxを使ったことのない人も、簡単に使用できるように色々と工夫されています。
Torブラウザに関しては「匿名性重視のTorブラウザ:ダウンロード~使い方まで(日本語版)」で使い方を詳しく説明しています。興味のある方はこちらもどうぞ。
ダークウェブのサイト集
ダークウェブのサイトへアクセスする際は、十分に注意しましょう。
その理由は、サイトのアドレスがランダムな文字列となっているため、ほぼ記憶することができないからです。
yahoo.co.jpやgoogle.comの様に分かりやすいサイトだとよいのですが、ダークウェブのサイトは、以下の様なアドレスになっており、記憶することは不可能です:
https://www.nytimesn7cgmftshazwhfgzm37qxb44r64ytbb2dj3x62d2lljsciiyd.onion/
(上記はダークウェブ上にあるニューヨーク・タイムズ社のウェブサイトです)
ここでは、ダークウェブにあるサイトで、比較的安全なものをカテゴリ毎にリストアップしています。
ダークウェブにあるサイトにアクセスしたい場合は、以下からアクセスするとよいでしょう。
ただ、繰り返しになりますが、ダークウェブへのアクセスは自己責任でお願いします。また、本記事の最後で説明しているNordVPN(ノードVPN)とノートン 360は入れてからダークウェブにアクセスする様にしましょう。
ダークウェブ上の検索エンジン
サーフェスウェブ(通常のウェブ)と同様に、ダークウェブも検索エンジンがなければ、どこにアクセスすればよいか分かりません。
ここではダークウェブ用の検索エンジンの中でも、以下の有名なものをご紹介します。
- Ahmia
- Haystak
- Torch
- DuckDuckGo
- The Hidden Wiki
Ahmia
http://juhanurmihxlp77nkq76byazcldy2hlmovfu2epvl5ankdibsot4csyd.onion/
Ahmiaは、2014 Google Summer of Codeで開発されたダークウェブの検索エンジンです。
Google Summer of Code (Googleサマーオブコード 略称GSoC)は、フリーソフトウェアやオープンソースのプロジェクトで、その年の夏の期間中、課題をクリアした人達に賞金を支払う制度です。名前の通り、スポンサーはGoogleとなっています。
また、Ahmiaは、Torネットワークの開発を続けるTor Projectが正式にサポートしていました。
Ahmiaの特長は、Chromeなどの通常のブラウザからダークウェブのサイトを検索できる点です(もちろん、ダークウェブ内からも検索できます)。
通常のブラウザからは、こちらからアクセスできます。ただし、通常のブラウザからは、ダークウェブのサイトを検索できても、アクセスまではできません。
Ahmiaのソースコードなどは、github上に公開されており、誰でもインストール・公開できる様になっています。
Haystak
http://haystak5njsmn2hqkewecpaxetahtwhsbsa64jom2k22z5afxhnpxfid.onion/
ダークウェブの検索エンジンといえば、Haystak。
無料版と有料版が用意されており、無料版では広告が表示される様になっています。
無料版は、ダークウェブ上の広告を表示していますが、怪しい広告も存在します。そのため、アクセスする場合は誤って広告をクリックしない様に注意してください。
Torch
http://xmh57jrknzkhv6y3ls3ubitzfqnkrwxhopf5aygthi7d6rplyvk3noyd.onion/
ダークウェブを検索できる検索エンジンとして有名なTorch。
Torchの画面は、Googleの様にシンプルなデザインとなっています。現在も、ダークウェブ内のサイトを活発にインデックス(収集)しており、ダークウェブ上では軽快に動作する数少ないサイトの一つです。
インデックス量は、ダークウェブの検索エンジンのトップクラスです。ダークウェブの検索エンジンとしては、おすすめですが、危険サイトのフィルタリングを行わないため、検索結果に怪しい、危険なサイトが表示されることもあります。
また、Torchのトップ画面にある広告はクリックしない方が安全でしょう。
DuckDuckGo
「個人情報を収集しない検索エンジン」として人気のDuckDuckGo。
Torブラウザのデフォルト検索エンジンにもなっており、ダークウェブ界でも人気です。
DuckDuckGoは、ダークウェブ検索用のサイトも公開しています。
DuckDuckGoの詳細は「DuckDuckGo(ダックダックゴー)とは: Googleとは真逆の検索エンジン」で説明していますので、もしよければご確認ください。
The Hidden Wiki
Wiki形式(Wikipediaの形式)で、誰でも編集ができる形でアクセス数を獲得していったThe Hidden Wiki。
当初のThe Hidden Wikiは、Operation Onymousにより既に差し押さえられていますが、Wiki自体は簡単に環境を構築して運用できるため、同様のサイトがダークウェブ上には多数存在します。
Operation Onymousについては「FELEGによるダークウェブ取り締まりの現状と成果」で詳細を説明していますので、もしよければどうぞ。
ニュース、メディア
ダークウェブは、怪しいサイトの集合体と考えている方は多いと思います。
しかし、ダークウェブは、抑圧的な国にいる人間が他国(主に欧米)に支援を求めるための仕組みでもあります。実際、ダークウェブを支えるTorネットワークは、米国外の調査員が米国に安全に調査情報を届けるための仕組みもあります。
詳細は「【Torとは】Torの仕組みとオニオンルーティングを徹底解説」で説明していますので、ご確認ください。
ここでは、ダークウェブを通して、抑圧的な国へ情報発信を行っているニュース・メディアサイトをご紹介します。これらのサイトでは、抑圧的な国にいる人達からの情報を収集しているものもあります。
The New York Times
https://www.nytimesn7cgmftshazwhfgzm37qxb44r64ytbb2dj3x62d2lljsciiyd.onion/
世界的に権威のあるThe New York Times紙は、ダークウェブ上にもサイトを公開しています。
これにより、厳しく情報統制されている地域や国からアクセスが可能となります。
また、情報統制されている国々の人々は、世界で何が起きているかを世界的に権威のあるThe New York Times紙から知ることができます。
BBC
https://www.bbcnewsd73hkzno2ini43t4gblxvycyac5aw4gnv7t2rccijh7745uqd.onion/
BBCは、ロンドンに本社を抱えるイギリスの公共放送局です。日本のNHKの様に、イギリスの国民からの血税から運営費が支出されています。
BBCは、The New York Times同様に、抑圧的な国からでも情報にアクセスできるようにするため、ダークウェブ上でサイトを公開しています。
また、ウクライナ・ロシアの両言語でもサービスを提供しており、両国の人間が正しい情報源に触れることができる機会を提供しています。
ProPublica
http://p53lf57qovyuvwsc6xnrppyply3vtqm7l6pcobkmyqsiofyeznfu5uqd.onion/
ProPublica(プロパブリカ)は、非営利の調査報道機関で、アメリカ・ニューヨークに本社があります。2007年に設立された比較的新しいメディアで、公益を目的とした調査報道を行っており、これまでに6つのピューリッツァー賞(調査報道)を受賞しています。
ProPublicaもダークウェブ上にサイトを立ち上げていますが、その理由は、メディア検閲、プライバシー、監視などの問題について、多くの報道を行っているためです。
ProPublicaは、自社が公開している情報に、誰でも、ユーザがデジタル痕跡を残さずに「安全に」閲覧できるようにするため、ダークウェブ上に公開ことを決めた、としています。
Archive Today
http://archiveiya74codqgiixo33q62qlrqtkgmcitqx5u2oeqnmn5bpcbiyd.onion/
Archive Todayは、2012年に設立された、ウェブサイトのスナップショットを保存するサイトです。これにより、特定のサイトの過去の情報を確認できます。
抑圧的な国では、独裁者の都合の悪い情報は、ウソの情報に書き換えられる傾向にあります。
Archive Todayは、そうなる前の情報を入手できる貴重な機会を提供しています。
また、Archive Todayはダークウェブ上にサイトを公開することにより、誰でも、安全にアクセスできる様にしています。
SNS
意外かもしれませんが、いつも目にするSNSはダークウェブからもアクセスできます。
ダークウェブ上にあるSNSは、匿名性を維持した上で、情報発信や情報交換ができる最適なツールといえるでしょう。
中東・北アフリカ地域で本格化した民主化運動「アラブの春」は、FacebookやTwitterなどのSNSをうまく利用した例といえるでしょう。
アラブの春があった当時は、ダークウェブ版SNSは存在しませんでしたが、その後、FacebookやTwitterが、抑圧的な国からでもアクセスできる様に、ダークウェブ上でサイトを公開する様になりました。
ここでは、ダークウェブから使用できるSNSを紹介します。
https://facebookwkhpilnemxj7asaniu7vnjjbiltxjqhye3mhbshg7kx5tfyd.onion/
Facebookは、2014年10月にダークウェブ上に、Facebookサイトを立ち上げました。
ダークウェブ上からログインをすれば、抑圧的な国からの監視を気にせずに、安全にFacebookを使用できるようになっています。
2023年現在、Facebookは今もダークウェブからアクセスできるようにしています。
ロシアによるウクライナ侵攻や2023年パレスチナ・イスラエル戦争などは、インターネットへの検閲が厳しくなるタイミングでもあります。こんな時、検閲の目が届かないダークウェブからアクセスできるFacebookは、離れ離れになった人たちを繋げる重要なSNSツールとなります。
https://twitter3e4tixl4xyajtrzo62zg5vztmjuricljdp2c5kshju4avyoid.onion/
Twitterは、2022年にロシアがウクライナへの侵攻を開始した直後に、ダークウェブ上にサイトを立ち上げました。これにより、監視の目を気にせずにTwitter上でのやりとりができる様になりました。
しかし、2023年にイーロン・マスク氏がTwitterの社員を大量解雇した後、オニオンサービスの証明書の有効期限が切れてしまい、ダークウェブからアクセスができなくなってしまいました(正確には、アクセスはできますが、アクセス前に警告画面が表示されます)。
今後、Twitterがダークウェブ上でサービスを再開するかは誰にも分かりません。
メールサービス
ダークウェブで情報交換を行う方法としては、メールも存在します。
ここでは、ダークウェブのメールサービスで有名なProtonMailとRiseupをご紹介します。
ProtonMail
https://protonmailrmez3lotccipshtkleegetolb73fuirgj7r4o4vfu7ozyd.onion/
ProtonMailは、スイス企業により運営されている電子メールサービスです。
GMailやYahoo!Japanのメールサービスと大きく異なる点は、プライバシーとセキュリティに焦点を当てている点です。
ProtonMailは、メッセージのやりとりが送信者と受信者以外には誰にも読めない様に、保護する仕組みを提供しています(これをエンドツーエンドの暗号化といいます)。また、スイスの法律に基づくプライバシー保護も提供しています。
ProtonMailは、Torネットワークをサポートしており、ダークウェブから「匿名性を維持しながらアクセス」できる様になっています。無料版と有料版を提供していますが、どちらでもセキュアなメール通信機能を利用できるようになっています。
Riseup
http://vww6ybal4bd7szmgncyruucpgfkqahzddi37ktceo3ah7ngmcopnpyyd.onion/
Riseupは、ProtonMailと同じ様に、プライバシーとセキュリティに焦点を当てた電子メールサービスです。電子メール以外にも、コミュニケーションツールやVPNサービスを提供しています。
RiseupはProton Mailと異なり、非営利団体として運営されています。そのため、営利を目的としておらず、Riseup Collectiveというコミュニティによって支えられています。
Riseupもダークウェブからアクセスができる様になっており、匿名性を高めるために使用できます。
Riseupは2000年代初期から存在しており、プライバシーに敏感なユーザや活動家により信頼され続けているサービスだといえるでしょう。
ビットコイン・ウォレット
ダークウェブ上で取引を行う場合、ビットコインの扱いは必須となります。
ただ、ダークウェブで金銭授受を行うケースは、ほぼ疑わしい取引だといえるでしょう。
そんな疑わしい取引を支援するツール(ビットコイン・ウォレット)もあります。ここでは、ダークウェブ上で、取引を秘密裏に行うことを可能にするWasabi Wallet(ワサビ・ウォレット)について説明します。
Wasabi Wallet
http://wasabiukrxmkdgve5kynjztuovbg43uxcbcxn6y2okcrsg7gb6jdmbad.onion
ダークウェブ上で、秘密裏に取引を行いたい場合、ビットコインの取引を追跡できない様にする必要があります。Wasabi Walletは、ビットコインの透明性を回避する仮想通貨用のウォレット(電子財布)です。Wasabi Walletを使用することにより、ビットコイン取引を暗号化し、追跡を難しくさせることができます。
Wasabi Walletは、この機能により、ユーザのプライバシーを保護している、としています。
ダークウェブにはツールをフル活用して安全にアクセスしよう
これまでに紹介したダークウェブ上のサイトは、無料のTorブラウザさえあれば、誰でもアクセスできます。
しかし、ダークウェブにアクセスする際の注意点は「セキュリティ」。
ダークウェブにアクセスする前に、まず入れたいのは高品質なVPN。VPNを入れることで、通信元を隠すことができます。これにより、万が一、ダークウェブからアクセス元をハッカーによりトラッキングされたとしても、彼らがたどれるのはVPNサーバまでとなります。
大手VPNプロバイダであれば、世界中からVPNサーバが利用されています。そのため、ダークウェブから自分のパソコンにアクセスが届く前に、VPNサーバの強固なセキュリティで守られるメリットもあります。
VPNのオススメは、世界大手のNordVPN(ノードVPN)です。
世界中にVPNサーバがあり、セキュリティもしっかりしています。また、世界中どこのVPNサーバにアクセスしても、ある程度のスピードが出ます。
次に入れたいのがアンチウィルスソフト。誤って危険なサイトにアクセスすると、使用しているパソコンにウィルスが入る可能性もあります。
そんな危険を排除するため、アンチウィルソフトは入れておくべきでしょう。おすすめは、軽快で、実績のあるノートン 360です。自分は、ノートンを20年以上愛用しています。
ノートン 360へはこちらからどうぞ。
なお、「マカフィー(McAfee)は「いらない」!即削除しても問題ありません」で詳細は説明していますが、マカフィーはおすすめしません。
これらツールを入れて、有効化した後、ダークウェブのサイトにアクセスする様にしましょう。
また、繰り返しになりますが、ダークウェブへのアクセスは個人の責任でお願いいたします。
以上です。