
NordVPNがリリースした新機能Meshnet(メッシュネットワーク)。
Meshnet(メッシュネットワーク)を使用すると、自分で「簡単に」「独自の」VPN環境を構築できます。
VPN環境に接続できるユーザは、こちらから招待したユーザのみ。招待したユーザは、同じネットワーク内に所属しています。
つまり、LANパーティゲームやファイル共有ができる様になります。
LANパーティとは?
LANに接続した複数台のパソコンを使用して、複数人でゲーム(LANパーティゲーム)を楽しむことです。日本では、大規模LANパーティゲームイベントとして「C4 LAN」が有名です。
LANパーティゲームを楽しむには、同じLAN環境に接続している必要があります。遠く離れた場所にいる友達やゲーマーとはゲームができません。
しかし、Meshnet(メッシュネットワーク)を使用すると、ユーザ同士は一つの仮想LAN環境内にいるため、LANパーティゲームを開催できます。LANパーティゲームとしては以下が有名です:
- Starcraft2
- Gang Beasts
- PUBG
本記事では、NordVPNのMeshnet(メッシュネットワーク)ができることを詳細に説明します。また、Windows・Windows、Windows・iPhoneの組み合わせで実際にMeshnetで接続する方法も紹介します。
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Meshnet(メッシュネットワーク)でできること

Meshnet(メッシュネットワーク)を使用すると、主に以下3点を実現できます:
- 独自のVPN環境の構築
- 仮想LANパーティ(Wifiを使用したゲーム)
- ネットワーク内でのファイル共有
メッシュネットワークを使用するには、接続するPC、スマホなど全ての端末にNordVPNをインストールする必要があります。
メッシュネットワークに接続している全ての端末には、一意なNord名(Nord Name)とIPアドレスが割り当てられます。以下にIPアドレスとノード名の例を示します:
Nord名:アカウント名-everest.nord
IPアドレス:100.69.0.10
現時点では、一部機能はiPhoneやMacOSでは使用できません。NordVPNが随時、機能拡張を進めているため、いずれすべてのOS、端末で同じ機能が使える様になる予定です。
メッシュネットワークで実現できることを以下で詳しく説明します:
独自のVPN環境の構築
メッシュネットワークで接続されたPC・スマホ間の通信には、NordLynxプロトコルを使用します。
NordLynxプロトコルは、最新のVPN技術 WireGuardプロトコルをベースに開発されたもので、通信はすべて暗号化されています。つまり、VPNプロバイダが提供するVPNサーバに接続しなくとも、VPN環境を構築できるのです。
接続できるユーザは、こちらから招待したユーザのみとなります(繰り返しになりますが、招待したユーザもNordVPNを使用している必要があります)。
また、メッシュネットワークに接続した端末は、各端末が設定した1台を経由して、インターネットへ接続します。
2022年8月現在、インターネットアクセス用の端末として、Windows版とLinux版を指定できる様になっています。
仮想LANパーティ
メッシュネットワークで接続されたPC・スマホは、1つのLAN環境を構成しています。
メッシュネットワークを使用すると、これまでは、ユーザ同士が物理的に近くにいなければ実現できなかったLANパーティゲームを「遠く離れたユーザ」と楽しむことができます。
前述の通り、LANパーティゲームは「Starcraft2」「Gang Beasts」「PUBG」などが有名です。
遠く離れた友達と「Starcraft2」「Gang Beasts」「PUBG」などのゲームを一緒に楽しむため、NordVPNを使いましょう!
万が一、NordVPNでうまくLANパーティゲームができなくとも、NordVPNを購入してから30日以内であれば、返金してもらえます。
ネットワーク内でのファイル共有
前述の通り、メッシュネットワークで接続されたPC・スマホは、1つのLAN環境を構成しています。
そのため、遠く離れた場所にある他のパソコン・スマホでもファイルを共有できます。
メッシュネットワークにより、簡単にファイル共有ができる様になるため、どこにいても、同僚同士の共同作業がはかどります。
メッシュネットワークの使い方

ここでは、WindowsとiPhoneにおけるメッシュネットワークの使い方を説明します。
メッシュネットワークに接続するPC・スマホそれぞれに、NordVPNがインストールされている必要があります。
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また、ここでは自分のアカウントに複数台登録して、メッシュネットワークで接続する前提とします(外部のアカウントでの接続方法もほぼ同じとなります)。
Windows版でメッシュネットワークを有効化する方法
Windows版でメッシュネットワークを有効化するには、メッシュネットワーク画面を開き、設定を進めます。
詳細な手順は以下の通りです:
1.メッシュネットワークアイコンを選択
NordVPN起動後、メッシュネットワークアイコン(画像内の赤丸)を選択します。

2.続行ボタンを選択
複数ページに渡り、メッシュネットワークの簡単な説明が表示されます。画面右下の「続行」ボタンを選択して進みます。
メッシュネットワーク説明画面1

メッシュネットワーク説明画面2

メッシュネットワーク説明画面3

3.「メッシュネットワークをオンにする」を選択
画面右下の「メッシュネットワークをオンにする」を選択します。これでメッシュネットワークを有効化できました。
その後、メッシュネットワーク画面に切り替わります。

4.メッシュネットワーク画面
メッシュネットワーク画面を以下に示します。Nord名、IPアドレスの一部にはモザイクをかけています:

メッシュネットワーク画面では、上記1~4の情報を確認できます。それぞれが示す情報は以下の通りです:
- 今使っているデバイスのNord名とIPアドレス
- あなたのデバイス
複数のPCやスマホのNordVPNに「自分のアカウントでログインしている場合」ここに表示されます。 - 外部デバイス
自分から他のNordVPNアカウントにリンクしたり、他のNordVPNアカウントに自分をリンクした場合、ここに表示されます。
※他のアカウントに自分をリンクした場合、インターネットアクセスは、他のアカウント経由となります。 - 招待状
送信・受信した招待状はここに表示されます。
1. あなたのデバイス

2. 外部デバイス

(自分以外のアカウントでひもづけているデバイス一覧)
3. 招待状

5.他のデバイスに招待状を送る
NordVPNを使用している他のユーザに招待状を送り、自分のメッシュネットワークに参加してもらうことができます。
画面右にある「新しいデバイスをリンクする」ボタンを選択し、自分のメッシュネットワークに参加して欲しいユーザのメールアドレスを入力して、「招待状を送る」ボタンを選択するだけです。
また、反対に他のユーザから招待状を受け、そのユーザのメッシュネットワークに参加することもできます。
1. 招待状(新しいデバイスのリンク)

2. 招待状送付後

iPhone版でメッシュネットワークを有効化する方法
iPhone版でメッシュネットワークを有効化するには、メッシュネットワーク画面を開き、設定を進めます。
詳細な手順を以下に示します:
1.メッシュネットワークアイコンを選択
NordVPN起動後、メッシュネットワークアイコン(画像内の赤丸)を選択します。

(赤丸がメッシュネットワークアイコン)
2.メッシュネットワークの有効化
メッシュネットワークを有効にするため、トグルボタンを選択して進みます。
最後の画面では、自分のiPhoneに割り当てられたNord名とIPアドレスを確認できます(画像では一部にモザイクをかけています)。
メッシュネットワーク画面1

メッシュネットワーク画面2

メッシュネットワーク画面3

3.メッシュネットワーク画面
メッシュネットワーク画面を以下に示します。Nord名、IPアドレスの一部にはモザイクをかけています:

メッシュネットワーク画面では、上記1~3の情報を確認できます。それぞれが示す情報は以下の通りです:
- 今使っているデバイスのNord名とIPアドレス
- トラフィックのルーティング
選択できるNord名一覧。ここで選択したNord名を経由して、インターネットにアクセスします。 - あなたのデバイス/外部デバイス
現在リンクしているデバイス一覧。
WindowsとWindowsを接続する方法
メッシュネットワークを有効化した後は、接続するPC・スマホを選択します。
ここでは、Windows(himalayas.nord)→Windows(everest.nord)に接続する方法を説明します。まずは、使用するWindowsPC2台にNordVPNをインストールし、自分のアカウントでログインします。
1.PC2台に入っているNordVPNがお互いを認識しているか確認
NordVPNをインストールしたPC2台(今回はeverest.nordとhimalayas.nord)がお互いを認識しているか確認します。
正しく設定されている時は、以下の画像の様に、お互いを認識している状態となります。
everest.nord
以下の画像より、「あなたのデバイス」にhimalayas.nordが存在することを確認できます。

himalayas.nord
以下の画像より、「あなたのデバイス」にeverest.nordが存在することを確認できます。

2.himalayas.nord側で、everest.nord経由でインターネットアクセスする様に指定
himalayas.nord側のNordVPNで、everest.nordを経由してインターネットアクセスする様に設定します。
- NordVPNの初期画面へ遷移
- 「メッシュネットワークでリンクしたデバイス」で「everest.nord」を選択
- 画面下に「メッシュネットワーク」、接続先「everest.nord」と表示


(画面下に「メッシュネットワーク」と表示)
3.everest.nord経由でインターネットアクセスしていることを確認する方法
himalayas.nordが入っているPCでネットサーフィンをします。
すると、everest.nord側のNordVPN画面では「himalayas.nord→everest.nord→インターネット」に出ていることを画面に表示します(以下、右の画像の赤枠部分)。
himalayas.nordからのインターネットアクセスがなくなると、一時的にeverest.nord側の赤枠は非表示となります。


himalayas.nordが入っているPCでネットサーフィンをしても、everest.nord側の画面に変化がない場合(上記画像の右側の赤枠が表示されない場合)、メッシュネットワークを通っていない可能性があるため、設定を再度ご確認ください。
その他:共有フォルダの参照
上記設定では、himalayas.nordとeverest.nordは同じNW上に存在するため、everest.nordの共有フォルダを表示・操作することもできます。
himalayas.nordからeverest.nord上の共有フォルダを参照した結果を以下に示します。everest.nord上のtoolsフォルダやUsersフォルダを確認することができます。

iPhoneとWindowsを接続する方法
ここでは、iPhone(alps.nord)→Windows(everest.nord)に接続する方法を説明します。まずは、使用するiPhoneとWindowsにそれぞれNordVPNをインストールし、自分のアカウントでログインします。
1.iPhoneとWindowsに入っているNordVPNがお互いを認識しているか確認
NordVPNをインストールしたiPhone(alps.nord)とWindows(everest.nord)がお互いを認識しているか確認します。
正しく設定されている時は、以下の画像の様に、お互いを認識している状態となります。
alps.nord(iPhone)
以下の画像より、「あなたのデバイス」にeverest.nordが存在することを確認できます。

everest.nord(Windows)
以下の画像より、「あなたのデバイス」にalps.nordが存在することを確認できます。

2.alps.nord(iPhone)で、everest.nord(Windows)経由でインターネットアクセスする様に指定
alps.nord(iPhone)側のNordVPNで、everest.nordを経由してインターネットアクセスする様に設定します。
- iPhone版のNordVPNを起動し、「メッシュネットワーク」画面を開く
- 「トラフィックのルーティング」で「everest.nord」を選択
- iPhone版のトップ画面に戻り「everest.nord」に接続していることを確認
1.画面下のメッシュネットワークを選択(赤丸部分)

2.「トラフィックのルーティング」で「everest.nord」を選択→電源マークが緑に点灯

3.iPhone版のトップ画面に戻り「everest.nord」に接続していることを確認

3.everest.nord経由でインターネットアクセスしていることを確認する方法
alps.nord(iPhone)でネットサーフィンをします。
すると、everest.nord側のNordVPN画面では「alps.nord(iPhone)→everest.nord(Windows)→インターネット」に出ていることを画面に表示します(以下、右の画像の赤枠部分)。
alps.nord(iPhone)からのインターネットアクセスがなくなると、一時的にeverest.nord(Windows)側の赤枠は非表示となります。


alps.nord(iPhone)でネットサーフィンをしても、everest.nord側の画面に変化がない場合(上記画像の右側の赤枠が表示されない場合)、メッシュネットワークを通っていない可能性があるため、設定を再度ご確認ください。
その他:共有フォルダの参照
2022年8月現在、WindowsとiPhone間では、共有フォルダの参照ができません。
メッシュネットワーク使用時の注意点

ここでは、メッシュネットワーク使用時の注意点を説明します。
メッシュネットワークでは実現できないこともまだあるため、今後の機能改善を期待したいところです。
国外の端末へのアクセス:家族やパートナーによる設定が必要になるかも
メッシュネットワークを使用すると、例えば、国外のスマホから日本にあるPCを経由して、インターネットに接続できる様になります。
しかし、日本にあるPCには、NordVPNがインストールされており、かつ、メッシュネットワークが有効になっている必要があります。
日本のPCが起動していない場合やNordVPNが何らかの理由で正常に動作していない場合、日本にいる誰かが、パソコンの電源ONや再起動を行う必要があります。
使用できるプロトコル
メッシュネットワークは、NordLynxプロトコルでしか動作しません。NordLynxプロトコルは、NordVPNが最新のVPNプロトコル「WireGuard」をベースに開発したプロトコルで、安全かつ高速に通信できる特徴を持っています。
もし「社内規定上、許可されていない」などの理由でWireGuardプロトコルが使用できない場合、メッシュネットワークは使えないことになります。
OSにより使用できる機能に一部制限あり
メッシュネットワークは、端末やスマホにより、使用できる機能が一部制限される場合があります。
他の端末に接続できない場合はアンチウィルスソフトを確認
メッシュネットワークを設定しても、接続先を経由してインターネットにアクセスしたり、共有フォルダにアクセスできない場合があります。
そんな時は、アンチウィルスソフトを疑ってみてください。
アンチウィルスソフトが悪さをしているか、簡単に確認する方法があります。一時的に接続元、接続先のアンチウィルスソフトのファイアウォール機能を無効化してみてください。
Windows版ノートン360では「自動保護」と「スマートファイアウォール」を簡単に、一時的に無効化できます。
ツールバー上のNorton 360アイコンを選択し「自動保護を無効にする」と「スマートファイアウォールを無効にする」をそれぞれを選択して、無効化してください(デフォルトでは15分間だけ無効にできます)。
接続元、接続先の両方のWindowsで無効化して、お試しください。

これで共有フォルダに接続できる場合は、アンチウィルスソフトが悪さをしています。
(接続元・接続先、それぞれでお互いのIPアドレスを通信許可に設定するなど)接続元・接続先のアンチウィルスソフトの設定を変更してください。
メッシュネットワークの今後

メッシュネットワークは、独自のVPN環境をWireGuardプロトコルベースのNordLynxで構築できる画期的な仕組みです。
現時点では、macOS経由でインターネットに接続できませんが、既にNordVPNがmacOSにも対応することを宣言しています。macOSユーザは、本機能のリリースを期待してよいでしょう。
NordVPNによる更なる機能拡張の計画は分かりませんが、今後メッシュネットワークに類似する機能は、VPN各社から登場し、「VPNのローカル化」は進むものと思われます。
2年間のプランで月額$3.39(約540円)以上です。