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帰国子女は英語ができてずるい?帰国子女が答えます。

5月 30, 2021

こんにちは、ケニーです。

学生:帰国子女は英語(外国語)ができるからずるい。みんな、学校の勉強もらくちんでしょ?

帰国子女は本当に全員、英語ができるのか。アメリカに高校卒業までいた僕が、「帰国子女が英語を学ぶ方法と帰国子女が経験する苦労」を伝えます。

この記事は、こんな人向けです

・帰国子女・帰国生は英語ができてずるいと思う人
・帰国子女の英語力を知りたい人
・帰国子女はどうやって英語を学習しているか知りたい人

結論

帰国子女は、全員が英語をできるわけではありません。その理由をこの記事で説明します。

帰国子女=英語のイメージが強いですが、非英語圏にいた帰国子女はスペイン語やフランス語など、滞在していた国の言語が強くなります。以降は、英語を前提に説明します。

帰国子女と英語の習熟度

4 people

帰国子女=バイリンガル のイメージが強いですが、言語の熟練度により、4つのパターンに分けることができます:

  1. 英語も、日本語もネイティブレベル(もしくはそれ以上)
  2. 英語はネイティブレベル、日本語は平均未満
  3. 英語は平均未満、日本語はネイティブレベル
  4. 英語も、日本語も平均未満

それぞれの詳細を説明します。

1.英語も、日本語もネイティブレベル(もしくはそれ以上)

これが世間一般の帰国子女のイメージだと思います。帰国子女の中では、最も優秀であることに間違いありませんが、実はこのパターンが最も数が少ないです。たいていは、パターン2~4に分類されます。

2.英語はネイティブレベル、日本語は平均未満

現地になじみ過ぎて、外国語は現地のネイティブレベルだけど、日本語は平均未満になるパターンです。

近くに日本人学校や補習校(毎週土曜日に現地の学校を借りて、日本の教育を行う場)がない場合、または親の教育方針により、このパターンになる方がいます。日本語はペラペラだけど読めない人や片言の日本語しか話せない方もいます。

3.英語は平均未満、日本語はネイティブレベル

外国にいるけど、親の教育方針などにより、日本人学校で教育を受けた場合、このパターンが多いです。まったく英語ができない人もいます。

ただ、高校受験前の「ならし」で、日本人学校に途中入学し、卒業した人は、それ以前は現地校にいた人が多いため、「英語も日本語もネイティブレベル(もしくはそれ以上)」の人もいます。

英語も、日本語も平均未満

一番残念なパターンですが、このパターンの人も一定数います。現地校になじめず、近くに日本人学校や補習校もない場合に、このパターンになります。

僕の経験上、その人の学力が低いわけではなく、環境や内向きな性格の結果、一時的にこの状態になる人がいます。しかし、環境さえ変えれば、パターン1~3のいずれかにシフトしていきます。

帰国子女が英語を学ぶ方法

帰国子女が英語を学ぶ方法も、4つに分類できます。例外もありますが、この分類毎に、英語の習熟度が変わってきます。

  1. 現地校で学ぶ
  2. 日本人学校で学ぶ
  3. 親から学ぶ
  4. 塾や家庭教師から学ぶ

1.現地校で学ぶ

英語がネイティブレベルの人は、このパターンが多いです。現地校で学ぶパターンには、2種類の方がいます。それぞれについて説明します。

いきなり現地校パターン

幼稚園から現地校で、そのまま小学校も現地校となるパターンです。この場合は、現地の子供たちと会話できる状態になっている子が多く、ネイティブレベル状態で、現地の子供たちと共に成長していきます。

途中から現地校パターン

小学校や中学校の途中で海外へ行った場合、現地校でESL(英語を第二言語として学ぶ)クラスへ入ります。一日中、ESLクラスにいるわけではなく、一日の時間のうち、決まった時間(1時間)をESLクラスで過ごします。

ESLクラスは、早ければ1年未満で卒業できる人(=現地の生徒と同じレベルの英語力に到達した人)や最後まで卒業できない人もいます。ESLクラスは、アメリカであれば、テストをパスすれば卒業となりますが、ESLクラスの先生の判断で卒業することも可能です。

ESLクラスの試験で卒業した人、ESLクラスの先生の判断で卒業した人は、共に、現地の生徒と同じレベルの英語力に到達したと考えてよいでしょう。

逆に、ESLクラスを卒業できなかった人は、現地の生徒と同じレベルの英語力とは言い難い、といえます。

2.日本人学校で学ぶ

他のブログや記事では、日本人学校では英語の先生も日本人、と紹介していますが、日本人学校によっては、現地の英語先生を採用し、生徒を英語レベル別に分けて、授業を行います。

例えば、ニューヨーク日本人学校では、この方式を採用しています。

生徒の英語の理解度や習熟度に応じて、クラス分けされるため、自分の英語力に合った授業を受けることができます。ただ、それぞれのクラスに応じた英語レベルで勉強をしているため、クラスが上がることはあまりない印象です。(最上位クラスの人はずっとそのクラスで、最下位クラスの人もずっとそのまま)

3.親や親戚から学ぶ

親がハーフであったり、クオーターである場合は、親と英語で会話することにより、英語を学びます。

生まれた時から英語も日本語も聞いているため、かなりのアドバンテージがありそうですが、英語で接する機会の方が多いため、日本語がおろそかになりがちです(日本語での会話はできるけど、読み書きがあまりできないなど)。

これは、日本の帰国子女特有の現象ではありません。例えば、マレーシアでは人種により、マレー語、英語、中国語、タミル語(インド)が使われていて、公用語はマレー語と英語です。

そのため、中国系マレーシア人やインド系マレーシア人でも、中国語・タミル語で会話はできるけど、読み書きができない人が多くいます。

4.塾や家庭教師から学ぶ

分類1~3に加えて、追加で英語を学んでいる場合です。日本人向けの塾や現地の英語の先生に家庭教師をしてもらい、英語を学びます。

先生のレベルや本人の努力によりますが、細かいところまで教えてくれるため、この方法で英語力が向上する場合もあります。

上記のいずれのパターンにせよ、現地で生活をしていても、ほとんどの帰国子女は、英語学習に相当の時間を使っています。その結果、英語ができる様になるため、自然に英語ができる様になったわけではありません。

帰国子女には、英語を学習するための貴重な環境が与えられていますが、それを無駄にしない努力があり、はじめて英語ができる様になります(帰国子女としては、ここをわかってもらえると嬉しいです)。

実際に、海外での時間を無駄に過ごしてしまい、帰国してから大変な目にあう人もいます。また、不幸にも自分に合う英語環境がなく、英語力が伸びなかった人もいます。

結論:帰国子女は英語ができる人もいるけど、全員ネイティブではない

effort

帰国子女は、これまで生活してきた環境が他と違いますが、それをどう過ごしたかにより、英語のレベルは大きく変わります。

本人の努力によるところもありますが、置かれていた環境や英語教師の質にも大きく左右されるため、一概に「帰国子女=英語や外国語がネイティブレベル」とはいえません。

後、帰国子女は、日本に帰国した瞬間から英語力が落ちていく運命にあります。帰国子女が英語力を維持・向上している方法を知りたい方は、以下もどうぞ:

以上です。

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