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DuckDuckGoとは - Googleとは真逆の検索エンジン

9月 15, 2021

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こんにちは、ケニーです。

最近、検索エンジン「DuckDuckGo」(ダック・ダック・ゴー)が注目を集めています。2021年1月18日には、1日1億件の検索数を突破し、最も勢いがあり、時代の流れに乗った検索エンジンといわれています。

日本で最もアクセスの多い検索エンジンは、Google(約76%)です。それにYahoo!Japan(約15%)とBing(約8%)が続きます。Yahoo!Japanは、Googleの検索エンジンを採用しているため、シェア的にはほぼGoogleの独占状態となります。その様な状況の中、DuckDuckGoが人気を集める背景には、インターネット上でのプライバシーの扱いに注目が集まっているためです。

本記事では、 DuckDuckGoとはどんな検索エンジンか?また、DuckDuckGoが人気を集める背景やその使い方を説明します。

【背景】消費者のプライバシー保護に対する意識の高まり

DuckDuckGoを語る上で外せないキーワードは「プライバシー」。最近あったプライバシーに関する出来事を説明します。

スノーデンによるPRISMシステムとECHELONシステムの暴露

2013年、アメリカの国家安全保障局(NSA)が運用する、通信傍受や個人情報を収集するためのシステム「PRISM」の存在が公になります。

当時CIAに派遣されていた エドワード・スノーデン氏が大々的にPRISMの存在を暴露し、 GoogleやYahoo!といった大手IT企業が積極的に情報提供を行っていたことから、世界を驚かす仰天ニュースとなります。

彼が公表した情報の中には、都市伝説となっていた通信傍受システム エシュロン(ECHELON)に関する記述も確認できます。これにより、プライバシーに関する問題が身近にあることを世界中の人々が知ります。

余談ですが、スノーデン氏は現在ロシア在住。Twitterでは、積極的に情報発信しています。フォロワーには「2チャンネル」開設者の西村 博之さんもいます。

プライバシー保護の動きとGAFAM抑制の動き

AppleやGoogleなどによる「プライバシー」情報の扱い方を見てみましょう。

Appleによるプライバシー保護の動き

2021年4月にAppleが公開したプライバシーに関する資料(日本語)には、個人情報や位置情報が、スマホやタブレットといった端末からアプリや業者に連携されている現状が描かれています。そして、iPhoneではユーザの設定により、アプリや業者に提供できる情報を制限できることも説明しています。

消費者による「個人情報の扱いへの関心の高まり」に、Appleは見事に応えています。

GoogleやFacebookなどGAFAM抑制の動き

しかし、一方で、ユーザから収集した情報を「有効に」活用して、利益を上げている企業もいます。

GoogleやFacebookといった企業は、自社サイトのユーザから収集した情報を活用して、ユーザに対して「最適な」広告を提供しています。

彼らは広告から多大な収益を上げているため、積極的に情報を収集し、常に広告の精度を上げる方法を模索しています。そういった彼らの行動は、世界各国から問題視されています。

Googleでは以前から個人情報を収集しすぎ、という指摘を受けており、それに対応するため、収集した情報の保存期間を18ヵ月に設定しました。このきっかけは、2018年に欧州で施行された一般データ保護規則(GDPR)だといわれています。日経新聞の記事「Google、利用履歴の自動消去を標準に 保存は18カ月」でも取り上げられました。

また、この動きとは別に、世界ではアップルを含めた「GAFAM」に対して「プライバシー保護の懸念や市場占有率を問題視」し、デジタル市場法というものの策定が進んでいます。現在は、主に欧州が策定を進めており、今後はアメリカの動きが注目されています。

Googleの課題

Google Logo
Google Logo

GoogleやYahoo!は、ブラウザが保持するクッキー(Cookie)というファイルを使用して、ユーザの行動履歴の追跡や情報収集を行っています。こうやって収集したデータは、ユーザの嗜好に合わせた検索結果の提供やユーザが好む広告を表示する(=Googleの利益の)ために役立てられています。

Googleはどの様にクッキーを活用して、個人情報を収集しているのでしょうか。答えは「追跡型のクッキー」にあります。

クッキーを利用した広告

クッキーの中には、ファーストパーティ・クッキーとサードパーティ・クッキー(追跡型のクッキー)の2種類があります。このうち、サードパーティ・クッキーは、ユーザの行動を追跡し、これまでにアクセスしたサイトに基づき、広告を表示するために使用されています。

最近では、このサードパーティ・クッキーがユーザのプライバシーを侵害しているとして、欧州では一般データ保護法(GDPR)の規制対象となっています。また、Googleは、こういった規制を回避するため、代替技術の開発を進めています。

ユーザの検索履歴をひたすら収集

GoogleはChromeのキャッシュとは別に、Google内にユーザがアクセスしたウェブサイトの履歴を保管しています。そして、このアクセス履歴を基にして、ユーザの嗜好に合わせた検索結果と広告を表示しています。多くのユーザは、アクセス履歴情報を「勝手に利用」して、自社の利益のために使われていることに反発しています。

ChromeのキャッシュやGoogleサービス内に保管されているアクセス履歴等、それぞれを確認する方法と削除する方法は「検索履歴を残さない!Chromeの設定手順と秘密モードの存在」をご確認ください。凄い量の検索履歴が保存されていることに驚くと思います。

フィルターバブルに陥る罠

Googleは、ユーザの検索履歴は絶えず収集・分析し、ユーザが好む検索結果と広告を表示するために使用されます。

ユーザが好む検索結果を表示する機能=「フィルター」機能のせいで、「泡」(バブル)に包まれた様に、自分が求めている情報しか見えなくなるため、インターネット活動家イーライ・パリサー氏はこの状態を「フィルターバブル」と表現しました。

実際にフィルターバブルが発生した有名な出来事といえば、2016年の米大統領選挙。Facebookは、トランプ支持派にはトランプ支持の投稿しか表示せず、ヒラリー・クリントン支持派にはヒラリー・クリントン支持の投稿しか表示されない事象が発生しました。

DuckDuckGoは、ユーザの好みに検索結果を「合わせない」ため、フィルターバブルの形成を防ぐことができます(ただし、検索精度はGoogleの方が上(涙))。

Googleとは真逆の路線で運営されている「DuckDuckGo」

DuckDuckGoトップページ
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繰り返しになりますが、GoogleやYahoo!は、クッキーを使用して、ユーザの行動履歴の追跡や情報収集を行っています。それとは、真逆の方向を進む検索エンジンが「DuckDuckGo」です。

プライバシー保護を最優先

DuckDuckGoは「プライバシー保護を最優先」する検索エンジンです。

プライバシーポリシーでは、個人情報を収集しないことを宣言しています。デフォルトではクッキーすら使用していません。DuckDuckGoの設定により、クッキーを使用する様に変更できます。しかし、クッキーを使用する設定に変更をしても、クッキーには個人を特定する様な情報は入っていません。

スノーデン氏が「PRISM」の存在と政府が個人情報を収集している事実を暴露して以降、GoogleやFacebookといったサービスが、無断で個人情報を勝手に収集することに対して「抵抗」を覚える人は少なくありません。そういった背景により、個人情報を収集しない「DuckDuckGo」の利用者数は増えています。

DuckDuckGo検索エンジンの実力

DuckDuckGoは、Wikipedia、Microsoft Bing、YandexやDuckDuckBotを含む400種以上の情報源を元に検索結果を表示します。検索結果の精度は、Googleには及ばないもののそれなりの検索結果は表示してくれます。

以下は、後述するDuckDuckGoの1日あたりの検索回数(DuckDuckGoのトラフィックページ)を調べるため、DuckDuckGoを使ってみました…が、必要な情報は得られませんでした(笑)。

DuckDuckGoの検索結果
Googleの検索結果(1行目にトラフィックページへのリンクがある)

DuckDuckGoは、ダークウェブ検索機能も搭載!

ダークウェブとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使用しても検索できないサイトです。

ダークウェブの実態は、Torネットワーク内にあるウェブサイトの集合体です。

DuckDuckGoは「ダークウェブを検索できる機能」を備えています。ただ、アクセス方法が少し特殊で、DuckDuckGoをChromeやFirefoxから使用しても、アクセスできません。DuckDuckGoを使用して、ダークウェブにアクセスする詳細は「匿名性重視の「Torブラウザ」ダウンロード~使い方まで」をご確認ください。

1日あたりの検索数の推移

SEO系のニュースでは、Googleの比較対象として、DuckDuckGoが取り上げられることも多くなりました。

1日あたりの検索回数を計算するための情報が両社から発表されています。

この情報を基に、GoogleとDuckDuckGoそれぞれの1日あたりの検索回数を計算したところ、以下の様になりました:

DuckDuckGo104,910,079回
Google5,443,200,000回
DuckDuckGoとGoogleの1日あたりの検索回数

Googleが圧倒的に多いw Googleの検索回数は、1秒あたりの処理件数が63,000件という情報があったため、これを基に算出しています。ただ、DuckDuckGoの検索回数は年々順調に増えており、2021年1月18日には、1日あたりの検索回数が1億回を突破しました。最近(2022年2月)では、1日あたり約1億回以上で推移しています。

DuckDuckGoの1日あたりの検索ボリューム

DuckDuckGoとGoogleの比較

DuckDuckGoがプライバシーを最優先していることは説明した通りです。それでは、検索エンジンとして見た場合、どうでしょうか。ここではDuckDuckGoとGoogle、それぞれの特徴や違いを説明します。

ユーザの行動履歴・入力履歴の記録

前述の通り、Googleはクッキーを積極的に使用して、ユーザの行動を追跡し、最適な広告を提供するシステムを構築しています。反対に、DuckDuckGoは、ユーザの行動履歴を追跡する様なことはしません。また、Googleではユーザの入力履歴を記録していますが、DuckDuckGoはユーザが入力した過去の検索クエリを記録していません。

検索結果

前述の通り、Googleは、ユーザの好みに合わせて検索結果ページ(SERP)の内容を変えています。その結果、前述のフィルター・バブルに陥りやすくなります。DuckDuckGoは、ユーザの好みに検索結果を「合わせない」ため、フィルターバブルの形成を防ぐことができます(ただ、現状では前述の通り、検索精度はGoogleの方が上)。

検索結果の確認方法

GoogleもDuckDuckGoも、検索結果ページ(SERP)には、10件の検索結果を表示します。Googleは、次の10件を表示するには「次へ」か「2」を選択します。しかし、DuckDuckGoはスクロールをするだけで、次の10件を表示できます。

!(Bang)機能

Googleには、トップページに、「I'm Feeling Lucky」というボタンがあります。検索文字列(検索クエリ)を入力して、このボタンを押すと、検索結果の1番目に自動的に遷移します。

!(Bang)機能は、これに似ていて、DuckDuckGoで入力した検索クエリをユーザが指定した検索エンジンで検索します。

例えば、「!gj 東京都」で検索すると、Google Japanで「東京都」を検索した結果のページに移動します。

GoogleもDuckDuckGoも提供している機能

GoogleとDuckDuckGoの両方が提供している機能を説明します。

広告

どちらも、GoogleもDuckDuckGoも検索結果ページの上下に広告を表示しています。

ナレッジパネル

検索結果ページの右側に、ナレッジパネルとして、検索クエリ(検索文字列)に対応した情報を表示します。

インスタント回答

「1+1」の様に、明確な答えが分かるものは、その答えを表示する機能です。

また、どちらの検索エンジンも実際に使用できる「電卓」を併せて表示します。

DuckDuckGoの計算機機能
Googleの計算機機能

DuckDuckGoの使い方

DuckDuckGoの使い方
Duck

ここでは、DuckDuckGoの使い方を説明します。操作方法の大部分は、Googleと変わりません。

Chromeブラウザでの使い方

パソコンやスマホでブラウザを立ち上げて、https://duckduckgo.com/へアクセスすれば、Googleと同じ様に検索できます。

難しいことは何もありません。UIもGoogleと同じ様にシンプルです。

Android

Googleプレイストアから専用のブラウザアプリをダウンロードして、使うことができます。

2022年2月現在、満足度は★4.8つとなっており、高い満足度を誇っていることがわかります。

DuckDuckGo Android
DuckDuckGo Android Appのインストール画面

iPhone

iPhoneでは、設定→Safari→Search Engineからデフォルトのブラウザを選択できる様になっています。

DuckDuckGoは、選択肢の一つとなっています。

余談ですが、一番下のEcosiaは、ドイツ企業が提供している検索エンジンです。名前の通り、80%以上の利益を植林・森林再生活動を行う非営利団体に寄付しているエコな企業です。

iphone設定→Search Engine
iPhone Safariの検索エンジン設定画面

プライバシー保護が重要視される時代の検索エンジンは「DuckDuckGo」

セキュリティが求められる時代の検索エンジンは「DuckDuckGo」
プライバシー保護=DuckDuckGo

プライバシー保護を最優先に掲げるDuckDuckGoは、検索エンジンの中で占めるシェアはまだ低いものの、ジワジワとシェアは上がっています。

特に、クッキーによるユーザ追跡、ユーザ情報の無断利用は、世界中が注目していることから、今後は、Yahoo!やBingを抜いてくる可能性を秘めています。その証拠に、現在でも1日あたりの検索クエリ数は増加しています。ただ、検索精度はGoogleに大きく引き離されているため、ここを改善するとユーザ数はいっきに増えてくると思います。

また、DuckDuckGoは、前述の通り、ダークウェブも検索できます。ダークウェブは怪しくて危ないイメージがありますが、実際は抑圧的な国から安全に海外メディアに情報を提供するための仕組みでもあります。詳細は 「匿名性重視の「Torブラウザ」ダウンロード~使い方まで」をご確認ください。

以上です。

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