帰国子女:周りに帰国子女はたくさんいるけど、社会人を経験している帰国子女はいない。帰国子女が就職して社会人になった後、どんなキャリアを歩んでいるのか知りたい。
そんな質問に、帰国子女として日本の大学に入学・卒業し、日本で社会人を13年以上経験している僕が回答します。
ここでは英語前提ですが、滞在していた国により、スペイン語やフランス語になりますので、置き換えて読んでもらえると嬉しいです。また、社会人になった後もチャンスがあれば、自分の語学力を活かして海外で仕事をしたい、という人向けに記事を書いています。
この記事は、こんな人向けです
・帰国子女が社会人になった後、実際に歩んだキャリアを知りたい人
・帰国子女が学生時代に経験するべきことを知りたい人
英語だけでは食べていけない時代
僕の祖母は、インドと日本のハーフで、その時代は、英語ができるだけで大学教授に簡単になれる時代でした。でも、それは、英語を学ぶ環境が日本にはまだなかったためです。
今でも英語ができることは、仕事をする上でアドバンテージはありますが、世界中の人々が飛行機で移動できるこの時代、英語だけでキャリアを築くことは難しいと思います。
僕が学生時代に英会話講師をしていた頃、生徒によっては、メキメキと会話力が上達する方が数多くいました。
既に日本でも、英語を学ぶための環境は整備されているので、少し背中を押してあげるだけで英語力が上達する方は、相当数がいます。
そんな環境の中、帰国子女はキャリアを積んでいく必要があります。
英語と別のスキルの組み合わせを意識する
ではどうするのか。
帰国子女の多くは、滞在していた国の学校や塾などで同じことをいわれていると思いますが、
今の時代を生きていくには、英語と更に他のスキルが必要になってきます。
例えば、英語+会計の知識、英語+法律の知識などです。
会計であれば、日本の会計基準に加えて、国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(US-GAAP)が分かったり、会計用語の日英翻訳ができるレベルであれば、非常に心強いです。
また、ITも必須になってきているので、英語+IT+何かの知識 があれば、鬼に金棒です。
学生時代にどれだけの知識を身につけることができるかがカギとなりますが、日本の大学で教えてもらえるのはほとんどの場合、日本語での専門用語なので、英語の専門用語や海外の基準などは自分で調べて、身につけていく必要があります(涙)。
周りで同じことをしている人がいないと、かなり凹みますが、就職活動中や社会人になった後、かなりの確率で他の人よりも、アドバンテージが出てきます。(ので、頑張りましょう)
僕は、英語+IT(プログラミング)を習得した状態で社会人になり、その後、会計システムの構築に携わり、会計もわかる様になりました。会計が分かると、IT業界の中でも価値が上がります。
日本語の勉強は、そこまで必要ない
帰国子女は、日本語が弱いといわれていますが、他の学生と比較してそこまで違和感がなければ、無理に勉強する必要はありません。
個人的な意見では、大学入学後、日本語の勉強に力を入れるより、「習得に時間がかかるスキル」に力を入れた方がよいと思います。ただ、ライターなど、物書きとしての将来を希望する場合は、日本語の勉強はした方がよいです。
帰国子女が社会人になった後
ここからは、僕が実際に社会人として歩んだキャリアとその中で感じたことを書きます。
会社の仕事を通して色々と学んでいく過程で、一番気を付けた方がよいことは、学んだことを日本語だけでなく、英語でも一通りできる様になることです。
今働いてる会社に海外事業がなくても、今後海外へ進出する可能性は大いにあります。実際、僕が新卒で入社した会社も、当初は日本国内にITサービスを提供している会社でしたが、時代の流れにより、中国や東南アジアへ事業拡大していきました。そのため、現行業務を英語でこなせる様になっておいて、損はありません。
海外への事業展開は、日本の業務を海外に展開する形で進めるところが多いので、現行業務を日本語と英語で語れる人間は貴重な存在となります。
また、会社ではさりげなく、英語ができることをアピールしておくとよいです。僕の場合は、最初は英語がまったく必要とされない環境にいたため、社会人3年目までは、誰にも英語ができることは伝えていませんでした(当時は、IT関連の仕事ができればいいや、と思っていたこともあり・・・)。
社会人3年目になり、上司が変わり、たまたま海外とやりとりをする仕事があることが分かりました。上司と会話している時に、英語ができることを伝えると、その仕事の担当者に設定してもらい、自分の英語を活かせる場を作ってもらうことができました。
そこからロンドンの仕事やマレーシアの仕事のプロジェクトを担当させていただけることになり、一時、マレーシアで駐在員となった時期もありました。ただ、僕の場合は、最初から就職時に海外を狙っていたわけではありませんでした。
今の時代、最初から海外で仕事をすることを狙う場合は、「海外の現地採用を狙う」か「海外で普通に就職活動をする」方がよいと思います。こちらの日経リサーチの記事にもありますが、海外駐在員は役割が大きいため、ある程度の役職者になる必要があります。
日本から海外に派遣される海外駐在員を希望する場合は、まずは、海外で何年か仕事をしてキャリアを積んだ後、日本に戻り、海外転勤のある会社へ転職すればOKです。
マレーシアで3年以上の勤務を終え、日本に戻った後は、そのまま同じ会社で仕事をしていましたが、会社の元同期が転職のきっかけを作ってくれ、転職して、今に至ります。当時は、ありがたいことにお客様からもお声がけいただきました。
経験上、帰国子女か否かに関わらず、仕事をする上で、手を抜かずに、細かいことにまで気を配ること、社内外の人間とネットワークを構築することを心掛けていると、後々、昇格のチャンスに恵まれたり、転職のチャンスが訪れたりすることが多い様に思います。
以上です。