こんにちは、ケニーです。
帰国子女:社会人になった帰国子女は、どうやって英語力(外国語力)を維持・向上しているんだろう。
帰国子女として日本の大学に入学・卒業し、日本で社会人を13年以上経験している僕が回答します。僕は現在でもTOEIC985、業務で逐次通訳を突然依頼されてもこなせるレベルです。
ここでは英語前提ですが、滞在していた国により、スペイン語やフランス語になりますので、置き換えて読んでもらえると嬉しいです。
また、帰国子女の方向けに記事を書いていますが、英語力を維持・向上したいすべての方の参考になると思います。
この記事は、こんな人向けです
・英語を忘れた帰国子女が英語力を取り戻した方法を知りたい人
・社会人になった帰国子女の英語力はどうなるのか、実例を知りたい人
・社会人になった帰国子女が日本で実践している英語力を維持・向上する方法を知りたい人
帰国した瞬間から英語力は落ちていく
帰国子女が英語を話せる様になったのは、英語を使う環境に置かれていたためです。帰国して言語環境が変わり、日本語を使う割合が高くなると、脳内も日本語に比重を置く様になります。(専門用語では、言語習得装置が日本語にシフトする、といいます)
また、日常的に英語そのものを使う機会が減ってしまうため、英語力の維持・向上するが難しくなります。
その結果、英語力は、帰国前と比べると落ちていきます。
どんな感じで英語力が落ちていくのか
「英語力」は4つの技能に分けることができます。
- 聴く力…Listening
- 読む力…Reading
- 話す力…Speaking
- 書く力…Writing
これらは、更に受動的スキルと能動的スキルに分けることができます。
- 受動的スキル:情報を受信する能力で、ListeningとReadingのこと
- 能動的スキル:情報を発信する能力で、SpeakingとWritingのこと
英語に限らず、言語力の衰えは能動的スキル、つまりSpeakingとWritingから衰えるといわれています。
忘れていく順番
また、忘れていく順番も、以下の通りと決まっています:
- 語彙
- 不規則変化動詞など
(過去形・過去分詞形が不規則に変わるもの:原型break,過去形broke,過去分詞形broken など) - 文法
- 発音
英会話講師をしていた時の経験上、小学生高学年で帰国した子供は、英語に接する機会がなければ、数か月で流暢さは失われます(ペラペラからカタコトになる)。
英語が話せなくなった実例
日本に戻ってきて5年目、社会人1年目の時、とあるアイリッシュパブでの出来事です。そこにいたアメリカ人が話しかけてきたので、久しぶりに英語で会話をしようとしましたが、文章の途中で急に単語がでてこない状態になりました。
文章にしてみるとこんな感じ:「I used to live in the US for over a …」
decade(10年)、という単語が出てこず、急に途中で黙り込んでしまいました。
上記の「忘れていく順番」でいう1. 語彙に当たるのですが、当時は、大学卒業や社会人1年目など、人生においても、目まぐるしく環境が変化していた時期だったので、英語を1年ほどおろそかにしていました。たった1年で、「decade」の様な簡単な単語もでてこなくなってしまった自分にショックを受けました。
英語力の維持・向上方法
英語力を維持する方法も、向上する方法も、キーワードは「習慣化」です。
英語は使わないと忘れてしまうため、英語に触れる習慣を作っておけば、英語力を維持できます。まだ日本に帰国していない場合は、帰国前から現地で実践しておけば、日本に戻っても、継続して英語に触れる状態を作り出すことができるので、英語力が維持できます。
忙しい社会人は、ウェブの力を最大限活用した習慣化をおすすめします。僕が実際に実践している方法は、記事後半に記載します。
Podcastを使う(Listening)
Amazon MusicのPodcastを聞くとよいです。実際に、ラジオ形式でPodcastの参加者同士の英会話を聞くことができます。例えば、Justin BieberとDJ Khaledが2021年に発表した新アルバムについてPodcastで配信しています。アーティストや著者が積極的に配信しているので、ぜひ活用してみてください。YoutubeにPodcastの一部がアップされているので、ここにも載せておきます。
日本でも人気のJustin Bieberは、Youtuberの先駆け的存在で、母親と貧しい暮らしをしていた時に、Youtubeに自分のパフォーマンスをアップしたことで、音楽プロデューサーのスクーター・ブラウンの目に留まります。そのあたりも最初の方で触れています。
Kindleで英語書籍を読むか海外ニュースサイトを読む(Reading)
Kindleでの読書か海外のニュースサイトがよいです。
特にKindleであれば、スマホがあれば、すぐに書籍を購入して読むことができます。また、New York Times Best Sellerなどで取り上げられた本であれば、他の人がどこに付箋を貼っているのかをみることもできます。
何を読んでいいかわからない場合は、The New York Times Best SellersやGates Notes(ビル・ゲイツが紹介する書籍)で紹介している本がよいです。最近の海外事情などがよく分かるため、おすすめです。Gates Notesは、和訳版がでていない本も紹介されるので、先に購入して読んでおけば、本をよく読む上司の先回りができて、評価アップが期待できます(笑)。
ニュースサイトであれば、世界的に有名なReuters、The New York Times、NewsweekやHuffPostなどがあります。
オンライン英会話を活用する(Speaking・Listening)
Zoomなどによるオンライン英会話が気軽にできて、おすすめです。実際に、1レッスン100円未満で設定されているところもあり、気軽に外国人と会話できます。
それ以外にもおすすめなのが、FacebookやInstagramでつながっている海外の友人と日常的に会話をすること。タイムゾーンが合う国であれば、こちらもおすすめです。ただ、フランクな英語での会話になりがちのため、文法的にちゃんとした英会話を求めている場合は、オンライン英会話をおすすめします。
オンラインチェックサービスを活用する(Writing)
最近では、オンラインで、Writingを教えてくれたり、チェックしてくれたりするサービスがあります。
この様なサービスを活用するか、ECCなどの英語学校をオンラインで受講する方法があります。特に、英語学校であれば、文法やWritingもきっちりと教えてくれるため、おすすめです。
僕が実践している英語力を維持・向上する方法
僕が実践している英語力を維持・向上させる方法を教えます。
まず、僕自身は日常生活(特に仕事)で、英語を使う場面はほとんどありません。ただ、割り込みで急に翻訳、通訳が入ることが3か月に1回ほどありますので、常に英語を使える状態にしておく必要があります。その様な環境にいるため、英語に触れることを習慣にしています。
技能別に分けると以下の様な頻度で英語に触れています。どの技能をどの様な頻度で・・・ということは意識しておらず、結果として、以下の頻度で英語に触れる様な習慣が身に付いた、という感じです:
Listening | 毎日 |
Reading | 毎日 |
Speaking | 週1~月1 |
Writing | 毎日~週1。SNS発信やメールのやりとりレベル |
以外に思われるかもしれませんが、Writingは重要視していません。僕の場合、主に仕事上の資料作成やパワポ作成でWritingが必要になりますが、資料やパワポの型はだいたい決まっており、そこまでWritingスキルは必要になりません。IT業界でのキャリアは約17年ありますが、その中でWritingで困ったことはありません。ただ、記者を目指す方や執筆者を目指すのであれば、Writingはもっと意識する必要があると思います。
Listening・Readingを維持・向上するために実践していること
身の回りのデバイスはすべて英語に設定
身の回りのデバイスは、すべて英語で設定しています。スマホ、ブラウザ、テレビ、Siriなど。これにより、最初に触れるものが英語となるため、調べ物も、自然と英語でする様になります。
職場では、パソコンの言語設定だけは、日本語にしています(画面を同僚やお客様と一緒に見ることが多々あるため)。それ以外、例えばブラウザなどは、自分専用であれば、英語に設定しています。
英語で検索
プログラミングや技術系の調べものは、すべて英語で行っています。難しそう・・・と思う人もいるかもしれませんが、日本語と比較すると、英語サイトの方が情報量が多いため、目的の情報がサクッと見つかることが多いです。
英語で読む・聞く
ニュースサイトやビジネス書は、極力英語で読む様にしています。Gates Notesで紹介される本は、まだ翻訳版が日本で出版されていない場合が多いのですが、Amazonであれば、英語版をポチって先に読めます。また、上でも書いていますが、Amazon MusicのPodcastで芸能人のインタビューを視聴することもおすすめです。
Speakingを維持・向上するために実践していること
飲み歩く
これだけです(笑)
アイリッシュパブに英語圏の人と集まり、共に飲み歩きます。飲み過ぎてもよいですが、キチンと会話をします。前回会話した内容、今週職場であった話やニュースネタ等を通して会話をすれば、話題は尽きません。
コロナ禍では、なかなか飲み歩くことが難しいので、今は、ZOOM飲み会がメインです。日本にいる外国人は英語講師や英会話講師の方が多く、こちらのペースに合わせて会話してくれるため、おすすめです。
僕の様に、会話の途中で急に単語が出てこなくなった人は、この方法(ZOOM飲み会)かオンライン英会話を試してみてください。
Speakingを維持・向上するために実践していること
最近は、iPhoneのSiriなど、声で質問して回答してもらうサービスもあります。単語レベルで発音が分からなければ、こっそりSiriを呼び出して、この単語どういう意味?と確認すれば、その単語の発音を教えてくれます。
例えば、hypothesis(仮説)の発音が分からない場合は、iPhoneからSiriを呼び出して、次の様に確認します:「Hey Siri, what is hypothesis?」。単語の発音が全く分からなければ、Siriに対して文字を入力して確認することもできるので、ぜひお試しください。具体的な設定方法は、すべてapple公式サイトを参照すればOKです。
まとめ
ポイントを整理します。
- 英語に限らず、言語力は、能動的スキル、つまりSpeakingとWritingから衰える。
- 英語力の維持・向上を目指すには、英語に触れる「習慣」を作る必要がある。
- 身の回りのデバイスは、すべて英語設定で運用。
- Podcast、Kindle、Zoomなど、現代ならではのサービスをフル活用。
- オンライン英会話や英語のニュースサイトも維持・向上に役に立つ。
- 記者や執筆者でなければ、Writingスキルに大きな比重を置く必要はない。
以上です。
みなさんの英語力の維持・向上に少しでもお役に立てば幸いです。