Hola VPN。
数多く存在するVPNサービスの中でも、Hola VPNは異色のサービスといえるでしょう。
その理由は、Hola VPNがピアツーピア型のVPNサービスだから。なんと無料で使えます。
しかし、結論から申し上げると、Hola VPNの無料版はオススメできません。その理由は、ユーザのデータを収集して顧客に販売する代わりに無料としているため。
詳細は後述しますが、多くのセキュリティ専門家は、Hola VPNの使用を控えるようにと警告しています。
使えるVPNをお探しの場合は、Hola VPNよりも、業界大手のNordVPN(ノードVPN)をオススメします。NordVPNの詳細は「NordVPN」か「NordVPNを徹底的に解説!」をご確認ください。
本記事では、Hola VPN(無料版)の機能、特徴、危険性について説明します。繰り返しになりますがセキュリティ専門家は、Hola VPNの使用を推奨していません。使用する場合は、個人のご判断での使用をお願いいたします。
2年間のプランで月額$2.99(約480円)Hola VPNとは
Hola VPNは、VPNサービスです。VPNサービスを使用することにより、ユーザはオンラインプライバシーの獲得、セキュリティ、地理的に制限されたコンテンツへアクセスできる様になります。
ピアツーピア型の特長を持つVPN
Hola VPNの無料版は、他のVPNサービスと異なり、ピアツーピア ネットワークとして動作します。
ユーザのデバイス(パソコンやスマホ)を利用して、お互いの通信をルーティングするため、従来のVPNサービスとは大きく異なります。
Hola VPN を使用すると、インターネット通信が他のユーザのデバイスを経由する可能性があります。また、逆に他のユーザも自分のデバイスを経由してインターネット通信する可能性があります。
これは色々な国を経由し、複数のIPアドレスへのアクセスを提供できるため、ジオブロックの解除に役立ちます。ジオブロックとは、特定の国からのインターネットアクセスのみを許可する方法です。
また、有料版は他のVPNサービスと同様に、Hola VPNの専用サーバを経由して、インターネットにアクセスできる様になります。
OS版、スマホ版、ブラウザ版など多様なデバイスで使用可能
Hola VPNは、大きく分けるとOS版、ブラウザ版、スマホ版の3種類が存在します。
3種類の中でも、一番多く機能が盛り込まているものはOS版となります。
運営は不透明で、批判されることも度々
Hola VPNのピアツーピアモデルは、セキュリティとプライバシーに関して批判の的となっています。Hola VPNの通信は他のユーザのデバイスを経由します。これは、他のユーザが自分のデバイスを経由して、不正行為を行う危険性があることを意味します。
例えば、Hola VPNを使用しているユーザが不正アクセスや誹謗中傷的な書き込みをした場合、自分の接続が使用されている可能性があります(IPアドレスからたどると、ユーザのデバイスに行きつくため、最悪は捜査対象となる可能性もあります)。
実際、過去には、Hola VPNを使用したDDoS攻撃(大量アクセス攻撃)が行われたこともあります。具体的には8chanというサイトに対して、DDoS攻撃を行うために使われました。詳細は「Hola VPN used to perform DDoS attacks, violate user privacy」(英語)をご確認ください。
上記の様な懸念から多くのセキュリティ専門家は、Hola VPNの使用を控えるようにと警告しています。
セキュリティ専門家は代わりに、ユーザのプライバシーとセキュリティの扱いを明確にして、評判の高いVPNサービスを選択することを推奨しています。
VPNサービスを探す場合は、ユーザのプライバシーとセキュリティの保護について評判があり、ユーザデータとトラフィックの処理を明確にしたものを選びましょう。
現状、評判の高いVPNでおすすめはNordVPNです。業界大手で使いやすいので、安全に使えるVPNをお探しの方は、NordVPNを一度お試しください。NordVPNは、購入から30日間は返金に応じてくれるので、安心して使えます。
2年間のプランで月額$2.99(約480円)Hola VPNとBright VPNの関係
Hola VPNの創設者Ofer Vilenski氏は、Bright Data社の創設者でもあります。どちらの会社もOfer Vilenski氏が経営していますが、Bright Data社はロンドンの金融機関EMK Capitalに2017年に買収されています。Ofer Vilenski氏の詳細はこちら(英語)。
Hola VPNの無料版を使用すると、一部Bright Data社の情報収集用に利用されます。収集する情報は、Bright Data社の顧客に必要なもの(インターネットをググって得られる結果など)に限定されます。
Hola VPNの無料版は、利用規約を確認すると、個人情報に該当する可能性のある情報も収集しています(詳細は後述)。
Bright Data社が運営するBright VPNの詳細は「BrightVPN:最強の無料VPN」をご確認ください。Bright VPNの方がデータを適切に管理している印象があるため、無料VPNはBright VPNがおすすめです。
Hola VPN・Hola Browserのインストール手順
Hola VPNは、OS版、ブラウザ版、スマホ版の3種類あります。
ここでは、それぞれのインストール手順を説明します。どれもインストールは簡単にできる様になっています。
OS版(Windows版)をインストールすると、自動的にHola Browser(Holaブラウザ)もインストールされます。Hola VPNのマニュアルなどを開くときは、Hola Browserが起動するため、注意しましょう。Hola BrowserはChromeベースのブラウザです。
OS版(Windows)
OS版は、Windows版をベースに説明します。
インストーラのダウンロード
Hola VPNのインストーラをここからダウンロードして、Windowsにインストールしてください。リンクをクリックすると、新しいタブが開きます。画面上の「Get Hola」を選択すると、インストーラをダウンロードできます。
インストーラを起動
ダウンロードしたインストーラをダブルクリックします。ユーザアカウント制御画面が表示されるので「はい」を選択します。
ダウンロードしたインストーラをダブルクリック
ユーザアカウント制御画面で「はい」を選択
Hola VPN App Setupで無料版を選択
Hola VPN App Setup画面が表示されるので、無料版(右のオレンジ色のボタン)を選択します。
ここで色々と無料版の利用規約を説明をしていますが、要約するとポイントは以下3点となります:
・Hola VPNは無料。
・Bright Data社はユーザのインターネット回線やIPアドレスを使用して情報収集を行います。収集する情報は、Bright Dataの顧客に必要なもの(インターネットをググって得られる結果など)に限定。
・個人情報は一切収集しません。※後述する利用規約の内容と乖離していますので、個人情報は収集していると考えた方がよいでしょう。
なお、左の「Pay for subscription」を選択して有料版を購入すると、インターネット回線の使用や情報収集は行わず、通信にはHola VPNの専用サーバを使用する様になります。
インストール中画面に切り替わります。
インストール完了→ログイン
インストールが完了すると、Hola VPNの他にGoogle ChromeベースのHola Browserもインストールされます。また、インストールが完了すると、Hola Browserでログイン画面が表示されます。
一番上のGoogleでのログインが一番簡単なのでオススメです。
初期画面
ログイン後の画面です。初期設定でアメリカが選択されています。この状態で画面中央のボタンを選択すると、VPNに接続され、アメリカからインターネットにアクセスしている状態になります。
画面右上の歯車アイコンから、設定(System Preferences)画面を表示できます。有料版では「Sharing device resources」(デバイスのリソースを共有)を無効にできます(無料版は不可)。
OS版のインストール手順は以上となります。
ブラウザ版(Chrome)
ブラウザ版は、Chromeをベースに説明します。
Chromeのウェブストアにアクセス
Chromeの「Chromeウェブストアにアクセス」→「拡張機能」を選択します。
Hola VPNを選択
Chromeにインストールできるアプリ一覧が表示されるので、画面左上に「Hola VPN」と入力して検索します。
検索後、Hola VPNを選択します。
Hola VPNを追加
「Hola VPNを追加してよいか」確認ダイアログボックスが表示されるため「拡張機能を追加」を選択します。
Hola VPNがChromeの拡張機能として追加されました。
Hola VPNアプリからアクセス先を選択
Hola VPNのアプリからアクセス先を選択します。ここではBBCを選択します。
VPN経由で接続
BBCのサイトが表示された後「VPNに接続してUnited Kingdom(イギリス)経由でサイトにアクセスするか」確認画面が表示されます。
「United Kingdom」を選択します。
ログインする様に促されるので、画面に従いログインしてください。Googleアカウントでのログインが一番簡単なのでオススメです。
ログイン後、Chrome画面右下にVPN(イギリス)経由でアクセスしていることを示すアプリが表示されます。
無料版は、1時間のうち30分のみ使用可能で、使用可能なデバイスは1台のみ、となっています。
ログイン後は、OS版と同じインターフェイスでVPNのON/OFFを切り替えることが簡単にできます。
ログイン前のHola VPN
ログイン後のHola VPN
ブラウザ版のインストール手順は以上となります。
スマホ版(iPhone)
スマホ版は、iPhone版をベースに説明します。
iPhone App Storeからダウンロード
iPhoneのApp Storeから「Hola VPN」と入力・検索して表示される「Hola VPN」(白いアイコン)をインストールします。
2番目にある「Hola VPN Privacy & Security」(黒いアイコン)は、Hola VPNの有料版アプリとなります。
Hola VPNを起動
Hola VPNを起動すると、シンプルな画面が表示されます。
Hola VPNをONにする
ONにしようとすると、どこの国からインターネットに接続するか、選択する画面が表示されます。
ここでは一番上の「United States」(アメリカ)を選択します。
国を選択した後は、無料版か有料版(プレミアム版)のどちらにするか、確認画面が表示されます。今回は無料版で進めるため「Continue」を選択します。
iPhoneにHola VPNのVPNプロファイルを登録するように促すメッセージ画面が表示されます。ここでは「Got it」を選択します。
次の画面で、VPNプロファイルを追加するメッセージが表示されますので「許可」を選択します。
VPNプロファイルが自動で追加され、Hola VPNに無事接続されると、次の様な画面が表示されます。また、画面左上に「VPN」と表示される様になります。
画像は、United States(アメリカ)に接続している状態です。
スマホ(iPhone)版のインストール手順は以上となります。
Hola VPNの使い方と設定
ここではHola VPNの使い方を説明します。特に豊富に機能が用意されているWindows版をベースに説明します。
VPNへの接続方法
Hola VPNを起動して、どの国を経由してインターネットにアクセスしたいかを選択します。以下画面では「United States」(アメリカ)を選択しています。
その後、OFFボタンを選択すると、指定の国(以下画面ではアメリカ)を経由して、インターネットにアクセスします。
Kill Switch(キルスイッチ)
Hola VPNは、Kill Switch(キルスイッチ)を提供しています。
キルスイッチとは、一般的にVPNが何らかの理由で切断された時に、インターネット接続も切断する仕組みです。
しかし、Hola VPNの場合は、VPN接続が中断した時に、指定したアプリを強制終了させる仕組みとなっています。
VPN接続が中断された場合でも、アプリを強制終了させたくない場合は、本機能をデフォルト(オフ)のままにしておくか、該当のアプリはキルスイッチ対象として指定しない様にしてください。
通信に使用する暗号化方式の設定
Advanced Settingsでは、通信に使用する暗号化方式を設定できます。
デフォルトの状態で特に問題はありませんが、うまく接続できない場合は、確認するポイントの一つとして覚えておくとよいでしょう。
また、通信の暗号化は、どこからどこまでの通信を暗号化するためのものなのか、Hola VPNのマニュアルサイトに明確な説明がありません。
すべての通信でAES256の暗号化が行われていると思わない方がよいでしょう。
【専門家が警告】Hola VPN(無料版)をおすすめできない理由
繰り返しとなりますが、Hola VPNの無料版は、オススメできません。
その理由は、無料版を使用していると、自分の情報が知らないところで収集され、利用される可能性があるためです。
また、他にも以下の理由からHola VPNはオススメできません。以下はHola VPNのプライバシーポリシー(英語)に記載されています。
アクセスログを収集している
Hola VPNは、ユーザがアクセスしたウェブサイト、各ウェブサイトの滞在時間、日付や時間を記録しています。これらは、Hola VPNのプライバシーポリシーに明確に記載があります。一アプリが収集する情報としては多すぎだと思われます。
個人情報を収集している
ユーザのIPアドレス、名前、メールアドレスからクレジットカードなどの支払情報など、多くの情報を収集することがプライバシーポリシーに記載されています。要はやりたい放題します、と宣言しています。
インストールしているアプリ情報を収集している
Hola VPNは、インストールされている端末上で動作しているアプリの情報を収集する可能性がある、との記載があります。具体的には、Hola VPNでキルスイッチ対象としたアプリの情報を収集する可能性があります。
通信の暗号化がされていない
Hola VPNの無料版は、ピアツーピア型の通信を行っているため、通信は暗号化されていません。また公式サイトには、AES256の暗号を使用しているとあるものの、詳細な説明はありませんでした。
有料版は、Hola VPNが専用のVPNサーバを提供しているため、通信は暗号化されていると思われます。ただし、プライバシーポリシーに記載の情報は引き続き、収集しているため、安心して使えるVPNとは言い難いと思われます。
2年間のプランで月額$2.99(約480円)本当に使えるVPNならNordVPNがおすすめ
ここまではHola VPNの説明でした。Hola VPN以外のVPNサービスとしておすすめしたいのがNordVPN。
NordVPNは、業界大手のVPNプロバイダです。
特に、以下の特長があり、安心して使えます:
- ユーザのログを収集しないノーログポリシーの採用
- 第三者機関によるノーログポリシーの証明
- WireGuardベースのNordLynxを採用しているため高速
NordVPNは、VPN業界の中では古参のため、VPNサービスの運用などもしっかりしており、そもそもVPNが使えない、ということもありません。
また、ジオブロックの解除にも定評があるため、、日本のNetflixでは閲覧できないジブリ作品を閲覧したり、YouTube Premiumを格安で契約することも可能です。
更に、NordVPNを契約した後も、30日間は返金に応じてくれるため、損をすることもないでしょう。NordVPNを使用して、VPNの可能性をぜひご自身で体感してください。
直接NordVPNのサイトにアクセスする場合はこちらからどうぞ。
以上です。
2年間のプランで月額$2.99(約480円)